[商標実務Insight]Kung Fu Tea事件判決例に見る不使用取消のリスク管理戦略 2025-07-16 hit.13 |
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[商標実務Insight]Kung Fu Tea事件判決例に見る不使用取消のリスク管理戦略 登録されていても継続して3年以上実際に使用していない商標については何人も取消審判を請求することができます。したがって、商標を実際に使用しているという証拠を残すことはとても重要なことなのです。事例で見ていきましょう。 1.事件の概要 「Kung Fu Tea」は第43類「レストラン業」について登録された商標です。しかしその商標は指定されたサービスに対して実質的に使用された証拠が乏しく、不使用取消審判で登録が取り消されました。 2.裁判所の判断(特許法院2023ホ12671事件) 特許法院(知財高裁に相当)は、商標権者の提出した使用証拠が「名目上の使用に過ぎない」ため、正当な使用とは言えないと判断しました。特許法院は次の点を指摘しました。 ・ポスターが英語だけで作成されておりドル価格で表示されている ・店頭でバブルティーを販売したとのことだが、実際の飲み物の製造・販売設備とメニューは不在である ・使用証拠は最近になって形式的に行われており、実際の使用とは見がたい 3.実務ポイント:不使用取消を避けるための具体的な戦略 ・実際のサービス提供が立証できなければなりません(メニュー表、領収書など) ・消費者が認識できるように商標を明確に表示する必要があります ・ポスターや容器などは補助的な証拠に過ぎずあくまで立証の主役は取引の連続性です ・登録された業種と実際の事業内容とが一致していなければなりません ・韓国内のサービスであることがわかるようにハングルの表記とウォンの価格を使用してください 4.結論 Kung Fu Teaの事件は、「その場しのぎ」「急ごしらえ」「見せかけ」の商標の使用では最終的に不使用取消を免れないという代表的な事例です。実務では、商標登録後も継続的かつ実用的な使用証拠を日常的に蓄積していくことが重要です。特にレストラン、カフェ、フランチャイズの業種では、サービス提供に全方位での証拠確保が不可欠です。【了】
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